5G対応の格安SIMのメリット・デメリットとは?
選び方や注意点も徹底解説
掲載日:2023年04月11日
更新日:2023年12月20日
近年、5Gが注目を集めていますが、格安SIMでも利用が拡大しています。
本コラムでは、5G対応の格安SIMを利用するメリット・デメリットを丁寧に説明します。
格安SIMの5Gの利用可能エリアについて
近年、世界的に5Gの利用が広がっており、令和4年3月に総務省が公表した「デジタル田園都市国家インフラ整備計画の概要について」によると、国内での5Gの人口カバー率は2020年度末時点で30%台となっています。
今後も5Gの整備が進められていくと予想され、5Gの人口カバー率は2025年度末で全国97%(各都道府県90%程度以上)、2030年度末に全国・各都道府県99%を目指すとされています。
各キャリアの5G対応エリアは以下のとおりです。
5G対応の格安SIMを利用するメリット
続いて、5G対応の格安SIMを利用するメリットを紹介します。
主なメリットは以下のとおりです。
- 大手キャリアよりも月額料金を抑えられる可能性がある
- 基本的に無料で5Gに切り替えられる
- 4Gとくらべて通信が安定している
- IoTに活用しやすい
- 乗り換え特典を受けられる可能性がある
順番に見ていきましょう。
大手キャリアよりも月額料金を抑えられる場合が多い
格安SIMのメリットは、大手キャリアよりも月額料金を抑えられる可能性がある点です。
格安SIMは大手キャリアの通信設備を借りてサービスを提供しているため、自社で設備のメンテナンスする必要がありません。4Gはもちろん、5G対応の格安SIMもお得な料金で提供されています。大手キャリアから5G対応の格安SIMに乗り換えることで、毎月の利用料を削減できる可能性があります。
また、格安SIMのプランは豊富です。主に音声通話SIM(通話+データ通信)・データSIM(SMSなし)・データSIM(SMSあり)の3種類に分けられます。データ通信量ごとに細かくプランが用意されているため、自社の用途に合うプランを選択可能です。
無料で5Gに切り替えられる
MVNOによりますが、基本的に追加料金が0円で5Gに切り替えられます。手数料がかからないため、4Gと5Gを切り替えて利用可能です。
大手キャリアで4Gから5Gに変更する場合、5G対応プランを契約する必要があるため、変更手数料がかかるケースがあります。例えば、NTTドコモで5Gを利用するには、現在の契約を変更する手続きが必要で、実店舗で契約変更をおこなうと3,300円(税込)の契約事務手数料が発生します。
格安SIMであれば基本的に手数料不要で5Gへ切り替えられるため、お得に5Gに対応したサービスを利用できます。
5Gへ無料で切り替えられるかはMVNOによって異なるため、事前に確認しましょう。
4Gとくらべて通信が安定している
5G通信は、4G通信と比較してデータ通信の遅延が発生しづらいことが特徴です。4Gよりもデバイスの同時接続数が増加したことで、安定した通信を利用できるようになりました。
格安SIMは人口が集中する場所で利用すると、回線が混雑してしまい通信が不安定になる可能性があります。しかし、5G対応の格安SIMを利用すれば、コンサートホールやスタジアムなどの人が密集する場所でも、通信が安定していることから快適にデータ通信を使える場合があります。
IoTに活用しやすい
5G対応の格安SIMは、IoTに活用しやすいのも特徴です。IoTを利用する際は膨大なデータのやり取りが発生するため、大量のデータ通信が必要になります。固定回線が敷設できない場所でIoTに5G対応の格安SIMを利用すると、毎月の利用料を抑えながら、大容量のデータ通信がしやすくなります。
また、5G技術の進歩で同時多数接続数が増加し、4Gの約10倍のデバイス数を同時に接続できるようになりました。スマートフォンやタブレットだけでなく、あらゆる端末を接続可能です。IoTには大量の端末が利用されるため、5G対応の格安SIMの利用が適しています。
乗り換え特典を受けられる場合がある
5Gのメリットとは異なりますが、MVNOは独自の乗り換え特典を実施しているケースがあります。特典の例としては月額料金の割引やキャッシュバックが挙げられます。特典を利用すれば、通常料金よりもお得に5G対応の格安SIMに乗り換えられるでしょう。
SIMカードについて、詳しく知りたい方は以下の関連記事をご確認ください。
>SIMカードとは?役割や機能、法人契約として格安SIMを使うメリットも解説
5G対応の格安SIMを利用するデメリット
続いて、5G対応の格安SIMを利用するデメリットを見ていきましょう。
主なデメリットは、以下のとおりです。
- 5G対応の端末が必要になる
- 5G対応プランの料金が高くなる可能性がある
- 利用できるエリアの制限がある
それぞれ参考にしてみてください。
5G対応の端末が必要になる
5G通信は、すべての端末で利用できるわけではありません。格安SIMで5Gを利用するには、対応端末を用意する必要があります。確認を怠って未対応の端末を用意してしまうと、5Gプランを契約してもサービスが利用できない場合があります。
特にお使いの端末を継続して利用する場合は、事前にその端末が5Gに対応しているか確認が必要です。格安SIM事業者や端末メーカーの確認してから、5Gプランを契約しましょう。自分で確認するのが不安であれば、事業者の窓口に問い合わせをすることをおすすめします。
お手持ちの端末が5Gに対応していない場合は、対応端末を購入しなければなりません。格安SIMではSIMカードと端末を同時に購入すると、料金がお得になる可能性があるため、活用してみましょう。
5G対応プランの料金が高くなる可能性がある
5G対応プランは、4G通信のプランよりも料金が高くなる可能性があります。事業者によっては、5G未対応プランから対応プランに切り替える際に、オプションサービスの追加が必要になるケースもあります。5G対応プランを契約する際は、料金を確認しましょう。
利用できるエリアの制限がある
格安SIM・キャリアともに、5G通信を利用する際は対応エリアに制限があります。NTTドコモ・KDDI・SoftBankの各キャリアで5G対応エリア拡大が進んでいますが、エリアによっては5Gではなく4Gでの通信となります。
特に全国各地の都市部は、人口が密集しているため5G対応エリアが整備されている傾向にあります。一方で山や川などの人口が集まりづらいエリアは、5Gが整備されていないケースが多くあります。
総務省が公開している「デジタル田園都市国家インフラ整備計画の概要について」によると、2025年度末までに全国97%、 2030年度末までに全国・各都道府県の99%に5G対応エリアが拡大するとされています。今後、多くのエリアで5Gを利用できるようになるでしょう。
自社に合った5G対応の格安SIMの選び方
5G対応の格安SIMを選ぶ際は、以下の項目に注目しましょう。
- 各社の料金プランを確認する
- 自社に合うデータ容量で選ぶ
- 実施中の特典も利用する
- SIMの種類で選ぶ
それぞれ活用してみてください。
各社の料金プランを確認する
5G対応の格安SIMを契約するなら、料金プランの確認が欠かせません。MVNOによって、料金プランが異なるためです。自社の要望を満たす料金になっているか確認しましょう。
また、格安SIMにはオプションサービスが豊富に用意されています。オプションサービスを追加すると料金がかかるため、必要以上の料金を払わないように自社の利用に適したプランとオプションを選択しましょう。
自社に合うデータ容量で選ぶ
料金だけでなくデータ容量の確認も重要です。格安SIMはプランごとにデータ容量が細かく設定されているため、自社に合うデータ容量を選択できれば、快適にインターネットを利用しやすくなります。データ容量が足りず通信制限がかかると、インターネットの利用に影響が出る可能性があります。
また、MVNOによってはデータ容量を翌月に繰り越せるサービスもあります。自社の用途を確認して、適したプランを選択しましょう。
実施中の特典も利用する
MVNOは独自の特典を実施している可能性があります。特典を活用すれば、お得に5G対応の格安SIMを利用可能です。契約時に、利用したい特典があるか確認してみましょう。
ただし、期限が設けられているケースが多いため、事前に適用条件の確認が必要です。
SIMの種類で選ぶ
SIMは、端末に出し入れできる「SIMカード」と元々端末に内蔵されていて取り出せない「eSIM」の2種類があります。
SIMカードはほとんどのスマートフォンに対応していますが、eSIMは対応機種が限られます。そのため、5G対応のeSIMを取り扱う事業者は少ない傾向です。
5G対応の格安SIMを選ぶ際は、SIMの種類も確認しましょう。
5G対応の格安SIMを導入する際の注意点
5G対応の格安SIMを導入する際は、以下に注意しましょう。
- キャリアメールが使えない
- キャリア決済が使えない
それぞれ参考にしてみてください。
キャリアメールが使えない
格安SIMに乗り換えると、大手キャリアの契約が解除されるため、キャリアメールが使えなくなります。今後もメールを利用したい方は注意が必要です。
格安SIMでもメールを利用するなら、GmailやYahoo!メールなどのフリーメールを活用しましょう。無料でメールアドレスを作成して利用できます。
また、有料ですが、キャリアメールの引き継ぎサービスも各キャリアから提供されています。キャリアメールをどうしても利用したい場合はこのサービスを利用することも可能です。
キャリア決済が使えない
キャリアメールと同様に、キャリア決済も利用できなくなります。普段からキャリア決済を使用している方は、注意が必要です。格安SIMを導入する際は、代替案を検討しましょう。
法人の格安スマホを導入する際の注意点は、以下の関連記事をご確認ください。
>法人の格安スマホ導入時に注意するべきポイント
5G対応の格安SIMの申し込み方法
5G対応の格安SIMの申し込み方法は、基本的に5G以外のプランを契約する際と同じです。
具体的な手順は以下のとおりです。
- 利用する端末を購入する(現在の端末を引き継ぐ際は不要)
- 契約するプランを決める
- プランの申し込みをする
- 利用を開始する
5G対応の格安SIMは、店舗とオンラインショップのどちらからでも申し込みができます。利用しやすい方法で手続きしましょう。
また、申し込みから利用開始まで時間がかかる可能性があるため、早めに手続きを始めてみてください。
5G対応の格安SIMならBIGLOBEモバイル
BIGLOBEモバイルなら5Gが追加料金不要で利用可能
BIGLOBEモバイルのタイプD(docomo回線)では、追加費用なしで5Gをご利用いただけます。
詳細は以下のページからご確認ください。
5G対応のSIMがお試し可能
BIGLOBEモバイルでは導入前に、データSIM(SMSなし)を7日間無料でお試しいただけます。通信エリアやお手持ちの端末との相性などをご確認いただき、安心してご導入いただけます。
お試しを希望の方は以下のページからお申し込みください。
5G対応格安SIMに関するよくある質問
5Gとは?
5Gとは「5th Generation」の略称で、日本語だと「第5世代移動通信システム」の意味があります。日本では2020年春頃からサービスが開始されており、DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現に向けて期待が高まっています。
4Gと比較した5Gの特徴は以下のとおりです。
* 理論値での比較となります。
- 高速大容量(通信速度は約20倍)
- 低遅延通信(遅延は10分の1)
- 多数同時接続(10倍)
ビジネスシーンに利用すると、大容量データのやり取りがスムーズにできたり、オンライン会議の遅延を少なくなったりする可能性があります。
4Gから5Gへの切り替えはどのくらいの期間がかかる?
4Gから5Gに切り替える際の期間は、おおよそ2-3日程度です。
4Gから5Gへの切り替え方法は「契約プランを変更する」「5Gのオプションをつける」「他社に乗り換える」などの方法があります。切り替えにはキャリア会社への手続きが必要になるため、契約元の会社に相談してみてください。
また、切り替え方法によって、5Gへの変更手数料がかかる可能性があります。事前に手数料の発生を確認して切り替えをおこないましょう。
5Gの対応エリアはどこで確認できる?
対応エリアは、大手キャリアやMNVOなどのホームページで確認できます。利用している事業者によって5Gの対応エリアが異なるため、事前に確認が必要です。
5G対応のスマートフォンで4Gは利用できる?
5G対応のスマートフォンは、4GやLTEなどの通信規格も利用できます。5Gの対応エリアではない場所でスマートフォンを利用する場合、4Gでデータ通信をします。5Gから4Gへの切り替えは自動でおこなわれるため、利用者が変更する必要はありません。
まとめ
格安SIMでは5G対応のサービスが提供されているケースがあり、今後さらに5G通信の設備が進んでいく見込みです。
5Gの導入は格安SIMでも進んでおり、5G対応の格安SIMには大手キャリアよりも月額料金が安いなどのメリットがあります。
本記事を参考に、5G対応の格安SIMの導入に取り組んでみてください。