社内ネットワークが遅い原因を切り分けて解説!
対処法6選と速度の調査方法も紹介
掲載日:2025年04月07日

社内ネットワークの速度低下は、業務効率や生産性に悪影響を与えるだけでなく、社員のストレス増加にもつながる問題です。しかし、遅い原因がどこにあるかわからずどのような対策から行うべきか迷う方もいるのではないでしょうか?
そこで本コラムでは、老舗ISP事業者であるビッグローブが、社内ネットワークが遅い原因を社内と社外の両面から詳しく解説し、すぐに試せる改善策をご紹介します。さらに、ネットワーク速度の調査方法や速度目安、高速化のための事前対策など、社内ネットワークの改善に役立つ情報をまとめました。原因を特定し、適切な対策を講じることで、快適なネットワーク環境を実現しましょう。
社内ネットワークが遅い原因:社内編
社内ネットワークが遅い原因は、社内にある場合と社外にある場合があります。
まずは、社内にある原因を6つに分けて解説します。
- 回線が混雑している
- 規格外のLANケーブルを使用している
- 電波干渉が発生している
- スイッチングハブに問題がある
- ネットワークの構造が複雑になっている
- IPアドレスに不具合が起きている
上記に原因がある場合は、自社内で解決できる可能性が高いでしょう。
回線が混雑している
同じ時間帯に社員が一斉に大容量データを送受信したり、Web会議を行うなど大量の通信が発生すると回線が混雑して通信速度が低下する原因になります。インターネット回線の帯域幅が社内の通信量に対して不足していると回線が混雑しやすくなり、結果的に通信速度の低下につながります。
そのため、10ギガのような高速通信に適した回線に切り替えたり、混雑を引き起こしにくい接続方式であるIPv6(IPoE方式)に変えたりすることで、通信速度の低下が解消される可能性があるでしょう。
規格外のLANケーブルを使用している
社内ネットワークで使用しているLANケーブルが回線の通信速度やルータの処理能力に見合っていない場合、ネットワーク速度の低下につながります。
たとえば、
LANケーブルの規格は以下のとおりです。
規格 |
対応可能な最大通信速度 |
---|---|
カテゴリー5 |
100Mbps |
カテゴリー5e |
1Gbps |
カテゴリー6 |
1Gbps |
カテゴリー6A |
10Gbps |
カテゴリー7 |
10Gbps |
カテゴリー8 |
40Gbps |
- 最大通信速度は、接続する機器、配線、回線の混雑状況などにより低下します。
「通信速度が最大1Gbpsまで出るはずなのに遅いと感じる」という場合には、LANケーブルの規格を確認してみましょう。
電波干渉が発生している
無線LANを使用している場合、社内に設置している電話機やBluetooth機器など電波を発する機械との干渉により通信速度が低下することがあります。無線LANで使用できる「2.4GHz」と「5GHz」の周波数帯には、以下のようなそれぞれ特徴があります。
周波数帯 |
メリット |
デメリット |
---|---|---|
2.4GHz |
障害物に強く、遠くまで電波が届きやすい |
電波干渉が発生しやすい |
5GHz |
電波干渉に強い |
障害物に弱く、遠くまで電波が届きにくい |
使用しているWi-Fiの周波数帯を確認し、電波干渉の発生状況やルータと端末の距離や障害物の有無が通信速度に影響を与えていないか確認してみましょう。
スイッチングハブに問題がある
スイッチングハブとは、LANケーブルと通信機器をつなぎ複数の端末をネットワークに接続するための機器です。多くの端末を接続する社内ネットワークには便利な機器だと言えるでしょう。
しかし、発売から10年以上経過している古いタイプのスイッチングハブを使用していたり、接続する端末を増やしすぎたりすると通信速度が低下する可能性があるため注意が必要です。
ネットワークの構造が複雑になっている
企業で使用する社内ネットワーク環境は複雑に階層化されているケースがあります。ネットワーク構造が複雑になると、データの処理に時間がかかり通信速度が低下する原因になるため注意が必要です。たとえば、ルータとスイッチングハブを複数つなげてポートを増やしているケースや、セキュリティ対策ソフトを入れすぎて構造が複雑になっているケースなどが該当します。
また、有線LANでインターネット接続している場合は配線が複雑になってどのケーブルがどの機器につながっているかわからなくなることもあるでしょう。
IPアドレスに不具合が起きている
IPアドレスとは、社内ネットワークにつながっているパソコンやスマートフォンなどを識別するための番号です。同じ番号のIPアドレスが複数存在すると、ネットワーク内の行き先が混乱してしまい通信速度が遅くなることがあります。
データが正しく送られないと再送などの処理が増え、ネットワークが渋滞してしまいます。そのため、通信速度が遅いと感じたらIPアドレスの重複がないか確認することをお勧めします。
社内ネットワークが遅い原因:社外編
ネットワークが遅い原因が社外にある場合を解説します。
外部からの影響を受けている
社内ネットワークの通信速度は、外部からの影響を受けて低下する可能性もあります。主な要因として以下の3つがあります。
- プロバイダの通信障害
- Webサイトのサーバーダウン
- 外部からのサイバー攻撃
インターネット回線を提供するプロバイダ側で通信障害が発生していたり、Webサイトのサーバーがダウンしてしまったりすると通信速度が遅いと感じる可能性があります。
また、外部からのサイバー攻撃によって社内ネットワークに不正な通信が大量に送り込まれると、ネットワークが混雑して通信速度が低下することも考えられるでしょう。サイバー攻撃は、大量にデータ通信量を消費してしまうだけでなく情報漏洩による被害も受けてしまうため、注意が必要です。外部要因を特定するのは難しいですが、通信速度の低下要因として把握しておきましょう。
社内ネットワークが遅いときの改善策4選

ネットワークが遅いときは、以下4つの改善策を試してみましょう。
- パソコンを再起動する
- OSのアップデートや不要なソフトウェアを停止する
- ルータと端末の配置を見直す
- 配線を見直す
パソコンを再起動する
通信速度が遅いと感じた場合、もっとも手軽にできる改善策がパソコンの再起動です。パソコンやタブレットなどの機器は、Webサイトのキャッシュを一時的に保存していることがあります。そのため、連続で使用しているとキャッシュが溜まり動作が重くなったり通信速度が低下したように感じることがあります。
パソコンを再起動することでメモリのキャッシュが削除されて通信速度が元に戻る可能性があるため、まずは試してみましょう。
OSのアップデートや不要なソフトウェアを停止する
OSのアップデートを行うことでネットワークが最適化され、通信の安定や速度改善につながる可能性があります。
バックグラウンドで動作する不要なアプリやソフトがネットワークを圧迫すると、通信速度低下の原因になります。不要なソフトウェアやサービスアプリは停止することで、速度改善につながるでしょう。
また、ウィルス対策ソフトがネットワーク速度低下の原因になるケースもあります。設定の最適化またはソフトの変更によって、ネットワークにかかる負荷を減らしてパフォーマンスを改善しましょう。
ルータと端末の配置を見直す
無線LANを使用している場合、ルータと端末の配置を変更して電波干渉を軽減することで通信を安定させられる可能性があります。とくに社内に電子レンジや冷蔵庫、電話機、Bluetooth機器など多くの機器を設置している場合は配置の見直しを検討しましょう。
電波を送受信する導線への電子機器の設置を避けたり、端末からなるべく近い場所や少し高い位置にルータを設置することで通信速度の改善が見込めます。
配線を見直す
配線が複雑な状態だと、通信速度が低下しやすいです。不自然な配線や余計な接続があれば、整理して不要な配線は撤去することで通信速度が速くなることがあります。
配線をつなぎ直す際には既存の機器との接続状況をチェックし、対応中の業務に影響が出ないよう注意しながら作業しましょう。
社内ネットワーク高速化のための事前対策2選
ネットワーク高速化を行うためには、以下2つのような事前対策も重要です。
- LANケーブルやネットワーク機器の性能を上げておく
- 自社に合った通信速度を出せるインターネット回線を利用する
LANケーブルやネットワーク機器の性能を上げておく
使用しているインターネット回線に対して、LANケーブルの規格が見合っているかを確認しましょう。現代の通信環境ではカテゴリー5e以上のLANケーブルが推奨されているため、古い規格のLANケーブルを使用していれば、買い替えを検討しましょう。
また、パソコンやタブレットなどの端末、ルータやスイッチングハブなどのネットワーク機器も古いものを使用している場合は、スペックの高い製品に変更することで通信速度が上がる可能性があります。
自社に合った通信速度を出せるインターネット回線を利用する
インターネット回線は種類によって接続方式や最大通信速度が異なります。根本的な改善を目指すのであれば、インターネット回線を見直して質の高いサービスに乗り換えるのがおすすめです。
接続方式は次世代規格の「IPv6」に対応したIPoE方式を選ぶことで、通信速度の速さや安定性が期待できます。また、最低でも最大通信速度1Gbpsのサービスを選ぶと、Web会議のような大容量通信にも対応しやすくなります。
現在1Gbpsを利用中で、通信速度が遅いと感じるようであれば、提供エリア拡大中の最大10Gbpsの光回線への変更も検討するといいでしょう。
社内ネットワークが遅い場合の調査方法

社内ネットワークが遅い場合は、通信速度の実績値を調査してみましょう。ツールを用いた調査をすることで、通信速度が低下する原因となる機器や場所を特定できます。主な調査方法は以下の4種類です。
種類 |
特徴 |
---|---|
スピードテストサービス |
インターネット上で利用できるサービスサイト。対象のURLを入力すると通信速度を測定できる。 |
pingコマンド |
ネットワークの接続確認や応答時間の測定をするツール。対象のホスト名やIPアドレスを入力することにより、送信元から送信先への往復速度を算出できる。 |
Tracert/Tracerateコマンド |
ネットワーク経路をリスト表示するツール。対象のホスト名やIPアドレスを入力することにより、遅延している経路の特定や応答時間の測定などができる。 |
トラフィック解析ツール |
データ通信を監視・分析するツール。ネットワーク機器の稼働状況を確認し、リアルタイムの帯域幅やトラフィックのボリュームなどを表示する。 |
もっとも手軽に調査できるのはスピードテストサービスです。遅延箇所の特定や詳しい速度の測定を行いたい場合は「Tracert/Tracerateコマンド」や「トラフィック解析ツール」を利用するといいでしょう。
社内ネットワーク速度の目安
社内ネットワークの速度は、インターネットの利用目的によって異なります。
利用目的 |
通信速度の目安 |
---|---|
Webサイト検索 |
1Mbps |
メールの送受信 |
10Mbps |
ファイルの共有 |
50~100Mbps |
Web会議 |
30Mbps |
Web会議の通信速度目安は、一般的にはパソコン1台あたり2.0Mbpsの通信速度が目安とされています。5人のWeb会議であれば10Mbps、30人のWeb会議であれば60Mbpsが目安の通信速度になるでしょう。
しかし、光回線はベストエフォート型が多く、1Gbpsの光回線であっても実測値は1Gbpsより遅くなります。オフィス内で複数人が同時接続してオンライン会議をする場合や、通信が混雑する夕方や夜の時間帯もデータのダウンロードを頻繁に行う場合であれば、余裕をもって最大通信速度10Gbpsの光回線を選ぶのがおすすめです。
法人向けビッグローブ光では、10ギガタイプの光回線サービスもご用意しています。詳細は、以下の専用ページもご確認ください。
社内ネットワークが遅い場合は
法人向けビッグローブ光への乗り換えがおすすめ
法人向けビッグローブ光の光回線には、以下4つの特徴があります。
- IPv6(IPoE方式)の新しい接続方式に対応している
- お客さまの利用満足度が高い
- 10ギガタイプにも対応している
- 特典利用でお得に契約できる
法人向けビッグローブ光は、新しい接続方式である「IPv6(IPoE方式)」に対応しているため、通信速度の速さや安定性を維持しやすいです。
また、高速ダウンロードや複数同時接続が必要なケースにおすすめな「10ギガタイプ」の光回線にも対応しています。すでにビッグローブ光の1ギガをご利用の場合には、10ギガの提供エリア内であれば乗り換えも可能です。
さらに、法人向けビッグローブ光ではさまざまな特典を用意しています。月額料金の値引きや、ルータについて1ギガはプレゼント、10ギガは12か月実質無料でレンタルなど、できるだけコストを抑えてインターネット回線を利用したい方にぴったりです。
- 本特典は、予告なく変更または終了することがあります。
10ギガの光回線を導入した企業の事例
法人向け光回線ビッグローブ光 10ギガを導入した企業の事例をご紹介します。
株式会社アドシードは、システムインテグレーション事業、IT教育事業、クラウド事業を行う会社です。もともと1ギガタイプを利用されていましたが、社員数やオンライン会議の頻度が増加したため、より高速な通信が可能になる10ギガタイプへ変更されました。
10ギガタイプに変更したことで社内コミュニケーションがスムーズになり、顧客とのオンライン会議も快適に行えるようになったようです。「今回のインターネット環境の強化により、さらにお客さまに価値を提供できる体制が整いました」とのお声もいただいています。
まとめ
社内ネットワークが遅い原因は、社内・社外両方に存在します。社内ネットワークが遅いと感じる場合は、まずは原因を特定し、適切な改善策を試してみましょう。
法人向けビッグローブ光は、通信速度が速く、安定している「IPv6(IPoE方式)接続」に対応した光回線サービスです。10ギガタイプにも対応しているため、オンライン会議の頻度が増えたケースや、同時接続台数が増えたケースなどにも向いています。光回線の導入や乗り換えを検討しているのであれば、まずはお気軽にご相談ください。