ISDNが2024年1月に終了!
企業がとるべき対策と代替サービスについて解説
掲載日:2021年04月15日
更新日:2024年03月14日
「総合デジタル通信網」とも呼ばれるISDNの終了時期が、日に日に近づいています。企業の担当の方のなかには、契約中のISDN回線をどうしようか頭を悩ませている方もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事ではISDNが終了する理由やその背景を解説したのちに、企業がとるべき対策について紹介します。法人ならではのお得で便利な光回線の契約プランについても解説しているので、インターネット回線の担当の方は必見の内容です。
ISDN終了の時期は2024年1月
2024年1月にISDNの「ディジタル通信モード」がサービス終了しました。なぜISDNのサービス終了が問題視されているのかを見ていきましょう。
そもそもISDNとは
ISDNとは、アナログ回線を使用したデジタル通信サービスのことで、1本の回線で2つのチャネルを利用することができます。特に1990年代後半から光回線が主流になるまでの2000年代初頭までは、個人・法人問わずよく利用されていました。
ISDNの契約者数は減少しているものの、ISDNの終了は「2024年問題」として、特に契約中の企業から問題視されています。
ISDNが2024年1月に終了
光回線が普及し、一般的なインターネット回線として浸透したため、ISDN回線のサービス提供は2024年1月に終了することが決定しています。
ただし、終了するのはディジタル通信モードとよばれるインターネット通信の部分のみで、通話モードと呼ばれる電話部分は引き続き利用できます。そのため、企業で利用されているビジネスフォンやPBXといった電話部分には影響ありません。
ISDN回線のディジタル通信モードを利用している場合は、代わりとなるサービスへの移行を早めに検討しましょう。
ISDNの終了がなぜ問題?
光回線などの代替サービスがあるにも関わらず、なぜISDNの終了が大きな問題になっているのでしょうか。それには、以下の理由が挙げられます。
- 自社のシステムにISDN回線が利用されていることを理解せずに、現行のシステムを使い続けている企業が少なからず存在すること。
- インターネット回線のほかに、POSレジや警備、EDI、保険請求などさまざまな用途でISDN回線が使用されていること。
2027年までの補完サービス提供をNTT東西が発表も
ISDNの終了時期は、一度2020年から2024年1月に後ろ倒しされています。それでもなお、企業のビジネスに与える影響が大きいとして、NTT東西が補完サービスを2027年まで提供することを発表しました。
しかし、補完サービスは、従来とまったく同じ通信の安定性やサービス内容が提供されるわけではありません。ISDN回線を利用中の企業は、回線の切り替えを早めに検討しましょう。
ISDNが終了する理由
ビジネスへのリスクが想定されるにも関わらず、ISDNが終了するのは主に2つの理由があります。
設備の老朽化のため
まず一つ目の要因として、交換機などISDN回線に使用されている従来の設備は、老朽化により2025年頃には機能の維持が困難になると予測されています。そのため、NTT東西は、既存の設備をIP網へ切り替える作業を進めています。
利用者の減少のため
ISDNのサービスが終了する二つ目の要因としては、固定電話やISDNの利用者が減少している影響もあります。契約者数減少の主な理由は、光回線をはじめとしたISDN回線よりも回線速度が速く、料金が安いサービスが登場したためです。
ISDN回線終了までのスケジュール
ISDNのサービス終了までのスケジュールは以下のとおりです。切り替えはなるべくはやく行いましょう。
ISDNの終了とIP網に移行までのスケジュール
2017年〜 |
ISDN回線「ディジタル通信モード」サービスおよび「一部のサービス」終了の告知が開始 |
---|---|
2021年1月〜 |
他事業者との接続をIP接続に切り替え開始 |
2024年1月〜 |
ISDN回線「ディジタル通信モード」サービスおよび「一部のサービス」が段階的に終了 |
〜2027年 |
ISDN回線「ディジタル通信モード」サービスの終了に伴い提供されている代替サービス(補完策)が終了 |
ISDN回線はPOSやEDIの他にも、CCT/CATなど企業活動に必須のサービスに利用されているケースが多いです。企業は2024年の1月に慌てて手続きすることのないよう、余裕をもって準備を行いましょう。
ISDN終了が企業に及ぼす影響とは?
ISDNは、2024年にサービスが終了していることが決まっているものの、現在も利用している企業が存在します。では、ISDNがサービス終了することで企業にどんな影響があるのか、3つに大きく分けて見ていきましょう。
回線切り替えに伴うシステム面での影響
ISDN回線は、クレジットカード決済端末機や警備端末など、インフラといえる部分でも使用されています。
このような、事業存続のために不可欠なシステムを大幅に変更するのは、コストや労力を費やします。
また、システムの切り替えがスムーズに進まなかった場合などのトラブルが起きている間に機会損失が生じる可能性も否めません。事業の存続に大きく関わる可能性があるため、早めに手を打つことが必要です。
回線切り替えに伴うハード面での影響
ISDN回線は、POS(販売時点情報管理)や EDI(電子データ交換)にも利用されています。このシステムを日常的に利用している、食品や流通業界、医療や自動車業界は特に影響を受けるといわれています。
2024年のISDNの終了後は、クレジットカード決済端末機をはじめ、POSやEDIを用いた端末を切り替えなければなりません。店舗側は顧客へ影響がないように、その切り替えは慎重に行う必要があります。また、クレジットカード決済端末機によっては切り替えに1カ月以上の時間がかかる可能性もあります。
新端末の移行がうまく行われないと、店舗側に混乱が起きる可能性もあります。混乱が顧客サービスや取引先にまで影響してしまう場合には、企業の信用問題にも関わります。
端末などのハード面の切り替え時は、トラブルが起きないように対策を打ちつつ、慎重に行いましょう。
回線切り替えに伴うソフト面での影響
ISDNの終了とともに提供を終了するサービスもあります。
例えば、ビル電話、着信用電話、短縮ダイヤル、ナンバー・アナウンス、でんわばんなどのサービスが挙げられます。
そのため、業務で使用している回線サービスや電話サービスが、ISDNの終了と同時に終了するサービスであるかどうかをあらかじめ確認しておきましょう。
終了するサービスを利用中の場合、そのサービスが事業における重要な役割を果たすのであれば、代替サービスの移行も視野に入れましょう。
ISDNが終了する前にとるべき対策とは
法人の場合、インターネット回線をビジネスとして利用しているため、切り替えに失敗すると大きな損害に直結します。
ここでは、法人がISDN終了前にとるべき対策を紹介します。
光回線への切り替え
ISDN回線を通常のインターネット利用のために使用している企業の場合、最もスムーズな方法は現在の主流回線である光回線に切り替えることです。光回線は通信速度が速いため、ビジネス効率化という点でも大きなメリットがあります。
切り替えは慎重かつスピーディに
ISDN回線から光回線へ切り替えるのに、申し込みから時間を要する場合があります。特に切り替えの依頼が集中する時期には、工事の日程が確保しづらい可能性があります。
2024年1月のISDNの終了時期には、切り替え工事依頼が殺到することが予想されるため、できるだけスピーディに準備を進めましょう。ISDN終了の直前になってから切り替えの工事を依頼し、もし間に合わなかったときには、インターネット利用ができない期間が生じ大きな損失につながります。
テストを実施する
インターネット回線は通信エリアや端末、ネットワークとの相性などがあります。万が一のトラブルに備え、契約完了後には回線の開通テスト、インターネット回線速度テスト、端末との接続テストなどを実施しましょう。これらのテストが成功して初めて、切り替えが無事に完了したといえます。
EDIには特に注意が必要
ISDN終了の影響を最も大きく受けると懸念されているのが、EDIを利用中の企業です。インターネット回線の切り替えは、慎重かつスピーディに行なう必要がありますが、特にEDIを利用中の法人は、より一層の注意が必要です。
EDIとは
EDIとは「Electronic Data Interchange」の略称で、企業間の「電子データ交換」を意味します。具体的には受発注や出荷納品、支払い業務などを企業間の専用線で接続して自動化する仕組みであり、EDIのネットワーク構築の際に、よくISDN回線が用いられています。
インターネットEDIが推奨
ISDNのEDIから切り替える通信手段にはいくつかの選択肢がありますが、最もスムーズに切り替え可能なサービスはインターネットEDIです。従来のEDIは、ISDNの専用回線を用いた仕組みが主流でしたが、インターネットEDIはインターネットを使用するため、比較的安くEDIを利用することも可能です。インターネットEDIにもさまざまなサービスがあるため、サービスの選定が重要です。
ISDN終了までに光回線に乗り換えを!
光回線はビッグローブ光がオススメ
ISDNの終了までに、できるだけ早く光回線に切り替え、いつISDNが終了しても業務に支障をきたさないように準備しておきましょう。ISDNからの乗り換えなら、わかりやすい料金体系や法人専用のサポート窓口がある法人向けビッグローブ光がオススメです。
まとめ
設備の老朽化や利用者数の減少にともない、ISDN回線のデジタル通信サービスは、2024年1月にサービス終了しました。しかしISDNは特に法人の利用者が多く、準備が整わないまま2024年を迎えてしまうと、ビジネスにおいて大きく支障をきたす可能性があります。
できるだけ早期に光回線などへサービスを切り替え、回線や端末のテストを行なうことが大切です。特にEDIは取引相手の協力が必要なことや業務への影響が大きいため、早めの対応が必須です。