企業向けCMSはどう選ぶ?
主な種類と特徴、選定のポイントとは
掲載日:2024年05月21日
更新日:2024年05月21日
企業が運営するWebサイトは、新商品のリリースや新キャンペーンのスタート、採用情報の掲載など、さまざまなタイミングでコンテンツを更新しなければならず、サイト管理には膨大な手間を要します。
これを解決するためのツールとしてCMSを導入している企業も多いのですが、CMSはどのような基準で選定すればよいのでしょうか。企業向けCMSの種類とそれぞれの特徴、選定における注意点などもあわせて紹介します。
企業サイトの運営に使用されるCMSの主な種類
CMSとはContents Management Systemの略称で、「コンテンツ管理システム」とも呼ばれます。
Webサイトの管理や編集、公開といった作業を効率化するツールで、幅広い企業で活用されています。
ひと口にCMSと言ってもさまざまな種類があり、それぞれ以下のように特徴が異なります。
オンプレミス(インストール)型
オンプレミス型はインストール型とも呼ばれ、ユーザー自身が管理する物理的なサーバにインストールし運用するCMSです。
メリット
・サーバのスペックや構成について、個別の企業ニーズや仕様に合わせた柔軟な設計・運用が可能
デメリット
・自社でハードウェアとソフトウェアを管理しなければならない
・企業が自身でシステムのアップデートやセキュリティパッチの適用、ハードウェアのメンテナンスなどを行わなければならない
クラウド型
クラウド型とは、インターネットを介して利用できるCMSです。
メリット
・インターネット環境があればサービスを利用できる
・迅速にサーバを構築でき、サイト規模に合わせてスペックを調整できる
・従量課金制のため、無駄なコストが発生しない
デメリット
・サーバ構成およびバックアップなどのデータ管理、障害対応体制は、サービス提供者に依存する場合が多い
企業サイトの運営にCMSを活用するメリット・デメリット
CMSは個人で手軽に運用できるものから、大規模なサイトにも対応できる企業向けのものまでさまざまなタイプがあります。
そのなかで、企業向けに提供されているCMSの役割と、使用するうえでのメリット・デメリットについてご紹介しましょう。
メリット
企業サイトの運営にCMSを活用するメリットは以下の2点が挙げられます。
▼ サイト運用の効率化
企業サイトではさまざまな部署がコンテンツを制作し管理することがありますが、制作者によってデザインや品質に差が出るケースが少なくありません。
そこでCMSを活用すれば、ページのデザインや品質を一定に保ちやすくなるほか、更新業務の属人化も解消できます。これによりスピーディーなWebサイトの更新が可能になり、全体的な作業時間の短縮にもつながるでしょう。
▼ 運用・維持管理のコスト削減
本来、Webサイトの管理や更新にあたっては、HTMLやCSSといった技術的な専門知識が必要です。しかし、CMSを活用することで専門知識がなくても手軽に更新が可能になり、外部の制作会社へ依頼していた業務の内製化が促進できるでしょう。
また、それに伴う運用業務の効率化によって作業コストが削減でき、運用業務のための採用や人材育成も不要になることが期待されます。
デメリット
上記とは反対に、企業サイトの運営にCMSを活用するデメリットは以下の3点が考えられます。
▼ セキュリティ面が不安なCMSも
プログラムが公開されているオープンソース型は、原則として自社でセキュリティ対策が必要です。
ただし、機能拡張のためのプラグインなどは、セキュリティアップデートが十分でない場合もあります。オープンソースCMSを検討する場合には、どの範囲までを対策しなければならないのかを把握する必要があります。
このような問題を解消するためにセキュリティ対策を外部企業へ委託するとなれば、想定外の運用コストが発生する可能性もあるでしょう。
※オープンソース型はソースコードが公開されており、誰でも無料で利用できるCMSです。
▼ 初期費用がかかる
オンプレミス型CMSを導入する場合には、サーバをはじめとしたハードウェアやシステム構築のための初期費用が発生します。
また、クラウド型やオープンソース型であっても、導入支援を依頼するとなるとやはり初期費用がかかるでしょう。
▼ 自社に合うCMSの選定が必要
CMSによってWebサイトの管理メニューや更新の作業手順は異なり、操作性に違いが見られます。
場合によっては、CMSを導入した結果、従来の運用と比べて作業フローやプロセスが煩雑になってしまうケースも考えられるので、自社が求める仕様や運用にマッチしたCMSを選定しなければなりません。
企業向けCMSを選ぶ際のポイント・注意点
企業向けCMSにはさまざまな製品があり、複数のCMSを比較しながらの検討が必要です。選定にあたっては、具体的にどのような点に注意すべきなのでしょうか。
機能性
・自社サイトの数やページ数に対応できるか
・自社の管理体制やポリシーにマッチした機能(公開予約や承認フローなど)が備わっているか
・オプションやカスタマイズの有無
企業が運営するWebサイトはページ数が膨大で、複数のサイトを同時に管理するケースも多いことから、複数の大規模サイト管理に対応できるCMSを選定することで、管理効率の向上が期待できます。
また、機能追加が必要になった場合に、オプションがない、カスタマイズができないということがあると、CMSの導入後の運用やコストにも影響することになるため、注意が必要です。
操作性
・管理画面や編集画面のわかりやすさ
・ブラウザのバージョンなど、操作環境に制限がないか
管理業務や編集作業を効率化するためにも、ひと目見ただけで分かりやすい管理画面や編集画面になっているかは重要なポイントと言えます。
セキュリティ
・ログインやパスワード管理など、CMSにセキュリティ機能が搭載されているか
・ベンダーから最新のセキュリティに対応したアップデートが提供されるかどうか
・CMSサーバとWebサーバが分離した静的配信型が理想
CMSの代表的なセキュリティ対策としては、アクセス制限や二段階認証などがあります。
また、万が一CMSサーバがサイバー攻撃の被害に遭ってダウンした場合に備え、Webサーバと分離した静的配信型のCMSの利用がおすすめです。会員サイトなどパーソナライズ要素を含むサービス提供は、部分的に動的配信型のCMSを組み合わせるといった、ハイブリッドな運用も考えられます。
サポート
・日本語での問い合わせ窓口の有無
・セキュリティパッチやバージョンアップが適切に提供されるか
海外ベンダーが提供するCMSの場合、管理画面やメニューは日本語に対応していても、サポート窓口は外国語というケースもあります。より安全なサポート体制を構築するためにも、日本語での問い合わせに対応しているかを確認しておきましょう。
インフラ(CMSサーバ・Webサーバ)
・監視体制/対応時間
・サーバ障害時の連絡体制や対応フローが確立されているか
・OS・ミドルウェアのバージョンアップや、セキュリティ対策を実施してくれるか
CMSを支える基盤とも言えるのがCMSサーバやWebサーバといったインフラです。特に監視体制は重要なのですが、小規模のベンダーでは24時間/365日のサポートに対応していない場合もあるため、注意しましょう。
企業向けサービスに適したクラウド型CMS
近年では、導入までの手間やコスト、セキュリティ対策などの運用面を考慮し、クラウド型CMSを選ぶ企業が増える傾向にあります。
企業サイト向けのクラウド型CMSはさまざまな製品がありますが、なかでも大規模サイトや複数サイトを効率的に管理するのであれば、ビッグローブの「Pattern Style CMS」がおすすめです。
ビッグローブのプロバイダー事業を支えてきたノウハウを活かし、セキュリティ性の高いインフラ環境を構築・提供しています。また、CMSのみをクラウド化したミニマム構成から大規模な構成まで、要件に合ったプランのご提案も可能です。
セキュリティオプションが充実しており、問い合わせ窓口も一本化されていますので、運用で困ったときでも相談先に迷う心配はありません。
CMSの特徴や強みを把握し導入メリットを最大化させよう
CMSにはさまざまな種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
Webサイトの規模や運用の目的、さらにはサイトの構成・仕様などによっても最適なCMSは異なるため、CMSの種類と特徴を把握しておくことが大切と言えるでしょう。
サイト運用でのお悩みや困りごとがあれば、ぜひお気軽にビッグローブまでお問い合わせください。